衣葡林 長安乱れ花 董卓と金魚鉢

 

【第2話】

そして翌日の夕食時、その機会が巡って来た。
衣撫林は数人の女性とともに食事を董卓の元に運んだ。
衣撫林が運んだものは酒であった。
彼は毎晩、酒を欠かさない。
必ず飲むはずだ。
さきほど隙を見て酒の中に毒を盛った。
料理や酒を置いて女性たちは引き上げようとした。
その時、董卓が突然衣撫林に声を掛けた。
衣撫林は背中に董卓の声を浴びて、ギクリとした。
振り返り平静を装って、「な、何でございましょうか?」とやっとの思いで言葉を返した。

「うん、酌をせよ。今日、寵姫は身体の具合が悪いとか言いおって寝込んでおるのじゃ。一人では寂し過ぎるからのう」
「は、はい。承知いたしました……」

衣撫林は董卓のそばに行き、跪いて酒を注ごうとした。
ところがどうしたことか徳利を持つ手がガタガタと震えて、まともに注げなかったのだ。

「どうしたのじゃ? 衣撫林。緊張しておるのか」
「は、はい……申し訳ございません……」

震える手は止まらず、注いだ酒の半分くらいは床に零れてしまった。

「どうしたのじゃ? 身体の具合でも悪いのか?」
「あ、は、はい、朝から少し目眩がありまして……」
「そうか……それは良くないのう。身体には気をつけられよ。そうじゃ、気分転換に少し面白いものを見せてやろう。病などどこかに吹っ飛んでしまうかも知れぬぞ?」

董卓はまるでクマのような巨体を、ノシノシと揺すりながら部屋の隅に歩いて行った。
そして、丸い金魚鉢の中に酒をすべて流し込んでしまった。

「それ、魚よ。お前たちも酒を飲め。今日は特別じゃ」

するとどうだろう。たちまち金魚が暴れ始めたではないか。
そして全ての金魚が逆さになり、水面にプカプカと浮き上がってしまった。

「ほほう、金魚とは酒を飲めば死ぬものなのか? これは初耳じゃ。わっはっは!なあ、衣撫林?」

衣撫林は顔を真っ青にし、言葉を失い、ただただ董卓の方を見つめているだけであった。

「はっはっは、衣撫林よ。お前、誰に頼まれた? 袁紹か? 曹操か? 孫堅か? それとも……」
「……」

衣撫林はぼう然として立ち尽くしていた。

「ふん、どうせ簡単には言わぬじゃろ。よし、その身体に聞いてみるとするか」

そういって、巨体を揺らしながら衣撫林に近づいた。
衣撫林はもうここまでか、と覚悟を決め懐から短刀を抜いた。
悪くても刺し違えて死ぬ覚悟であった。

「何を、小癪な」

董卓はその巨体にもかかわらず、軽く身を躱し、衣撫林の手首を掴んだ。

「ううっ、放せっ!」
「ふん、正体を見せたな。この女狐め」

衣撫林の手首を捻じりあげる。

「くうっ……」

衣撫林の顔が歪み、手首から短刀が落ちた。
次の瞬間、董卓の腹に一閃! しなやかな鞭のような蹴りが一発見舞われた。

「うわ~っ!」

もんどりうって倒れる董卓の大声に、番兵たちがやって来た。
万事休す。
いかな拳法の達人であっても、番兵たちに左右から青龍刀を突きつけられては為すすべがない。

「この、たわけ者め!」

衣撫林の白い頬に、ピシャリと董卓の平手打ちが見舞われた。

「うっ……」

すぐさま兵たちに縄で後手に縛られた。

「さあ吐け! 誰に頼まれてわしを殺しに来た」
「……」

衣撫林は俯いたまま一言も喋らない。

「ふふん、どうせ簡単には吐かぬだろうて。ではその体に聞くとするか……」

董卓はそういいながら、床に屈み込んでいる衣撫林のピンク色の衣服をスッとまくりあげた。

「いやぁ~!やめてくださいっ!」

必死に脱がされるまいと、床を這って逃げようとする衣撫林であったが、兵たちが押さえつける。

「逃げられやしねえよ。董卓様のお命を狙った罪は重いぞ。董卓様、こやつには拷問を掛けて吐かせるのが良いかと思います」
「はっはっは~、こやつが男ならばそれもよかろう。だが、女には女の責め方がある。ぐふふ……。ましてやこれだけの器量の女だ。血まみれにするのも惜しかろう。ぐわっはっはっは~! なあ、衣撫林?」

董卓はそうつぶやきながら、捲れあがった衣服の裾から露出した下穿の中心部に、刀の柄の部分で押した。

「い、痛い……」

刀の柄はグイグイと衣撫林の微妙な部分に食込んでいく。

「や、やめてください……」

衣撫林の股間を刀の柄で押しながら、董卓は嫌らしい笑いを浮かべながら言った。

「ぐふふ……それにしても良い身体をしておるな。この奥の方もしっかりと調べなければな」
「いやぁ……許して……一思いに殺してください……」
「殺すのは容易いこと。それよりも誰の差し金か早く吐け。吐けば逃がしてやっても良いぞ」
「……」 
「どうしても言わないつもりだな? 仕方がない。おい、貴様たち、この女を天井から吊るせ!」

天井から二本の縄が垂れ下がっており、いずれもゆとりなくピンと張っている。

 
toukou02
 
toukou
 
 
この作品は、愛と官能の美学 Shyrock様から投稿していただきました。
尚、著作権は、愛と官能の美学 Shyrock様に属しております。
無断で、この作品の転載・引用は一切お断りいたします。
 
ラヴラヴから凌辱ものまで多ジャンル官能小説取り揃え
体験談・投稿体験談・夜学問・官能詩
エロエッセイ・その他カテゴリー多数
 
 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA