クロス・ラヴ(第5節) 再びクロスラヴ

 

【最終話】

だからと言って4人の間に新たな恋が芽生えた訳ではない。
だけど今までの友達感覚とは少し違う気がする。
強いていうならば『友達以上・恋人未満』とでもいうのだろうか。
それでもありさと球にそして俊介と浩一に不安はなかった。
彼らには今まで培って来た厚い信頼感があった。
もちろん将来にわたっても絶対壊れないとは断言できないだろうが、少なくとも現時点でその信頼関係は揺るぎないものであった。
とりわけ今回の小旅行後、ありさと俊介、そして球と浩一それぞれの愛情が一層深まったといってよかった。
昔からぜんざいを煮る時に少々の塩を加えることが美味さの秘訣といわれている。甘いものに塩を入れる。一見無茶なように思われるが決してそうではない。微量の塩を加えることによって、その塩が一種のスパイスのような役目を果たし、一層うまみを引き立てることができるのだ。
つまり今回のクロスラヴは、ありさにとって浩一が、浩一にとってありさが、球にとって俊介が、俊介にとって球が、それぞれが『塩』的役割を果たしたわけである。
もし彼らの行動が世間に知れたら、不道徳な行為だと白い目で見られることもあるだろうが、4人は臆することはなく自分たちを信じていた。
そうはいっても実行前は4人に不安がなかったわけではなく、最悪のシナリオも危惧していた。

 球「にゅう、浩一?」
 浩一「なに?」
 球「この前の湘南の旅行楽しかったね」
 浩一「うん、ドキドキしたけどとても楽しかったよ」
 球「また・・・しようか?」
 浩一「また・・・って、例のクロスラヴか?」
 球「うん」
 浩一「でも旅行からまだ1ヵ月経ってないよ。あんまり頻繁にするのもどうかと思うんだけど」
 球「いや、別に無理にとは言わないんだけどね。もし良かったら今週末ありさも空いているみたいなので、4人でラブホに泊まろうかな、って思ったの」
 浩一「球?」
 球「なに?」
 浩一「おまえ、俊介に惚れた訳じゃないよな?」
 球「ばか!何を言ってるのよ。あれはあくまでプレイよ。わたしの好きな人は・・・」

浩一は球をじっと見つめた。

球「浩一だけだよ」
浩一「そうか。じゃあ、やろうか」

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その頃、ありさもまた俊介に同様のことを尋ねていた。

ありさ「にゃう~ん、今度の土曜日、また4人で泊まろうよお~」
俊介「おっ!あれからまだそんなに経ってないけどいいのか?」
ありさ「にゅう~・・・俊介、すごく嬉しそうねえ?もしかして球を好きになったんじゃない??」
俊介「それはないよ。オレが好きなのはありさだけさ。でも、オレたちの愛を深めるためならクロスラヴは賛成だよ」
ありさ「うん、じゃあ、決まりだねえ。球に電話しよお~っと」

ありさ「球?土曜日、俊介もOKだよ~。場所はどこにする?」
球「取り合えず渋谷に集合しようか?それから・・・」

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2度目のクロスラヴを体験した4人にまもなくバレンタインデイがやってきた。
しかしその日は4人で集まることはなかった。
それぞれがそれぞれの場所で愛を確かめ合った。

【クロス・ラヴ(第5節) 完】

<筆者後記>

筆者は読者の皆様に決してクロスラヴを奨めるものではないが、たまにはこんな恋があっても良いのではと思ってる。
生涯浮気することなく1人の人を愛し続けられたらそれ以上言うことはない。
ところが残念なことに人間は時として浮気心を生じてことがある。
陰でこそこそと浮気をするのはエネルギーを消費するし精神衛生上よろしくない。それに恋人(または伴侶)とのトラブルの原因にもなる。さらに深刻さを増せば信頼関係にひびが入ることもあるだろう。運が悪ければ破局への引き金となってしまう。
それならばいっそのこと、互いに認め合って気心の知れたカップルと相互に“ラヴ”することが、恋を長続きさせるための一服の良薬となるのではないだろうか。

 
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この作品は、愛と官能の美学 Shyrock様から投稿していただきました。
画像(ありさ様 及び 球様)も 、Shyrock様のご好意によりお預かりしたものです。
尚、著作権は、愛と官能の美学 Shyrock様に属しております。
無断で、この作品の転載・引用は一切お断りいたします。
 
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