最強!カスタム執事ロボ 最強執事ロボ登場

【第1話】

「こんにちは。今日の特集はいよいよ実用化される事になったカスタムメイドロボについて、国立AI研究所所長のサカイさんにお話をお伺いします」

その日夕食の後で、私はママと一緒にテレビの報道番組を見ていました。今日の特集は注目。なぜなら、パパが働いてる研究所のインタビューなんですから。パパは日本でも有数の優秀なAI、つまり人工知能の研究者。この所何度もテレビに登場して、すっかり有名になったメイドロボの開発の中心となったのはパパなんです。

「やっぱ、シマムラマイコって綺麗だよねー」
「あら、ママだって若い頃はこの子に負けてなかったのよ」

パパはとても頭が良いのに、インタビュアーの容姿についておしゃべりしちゃう娘と妻はミーハーなおバカさんでした。シマムラマイコは有名なアイドルグループを卒業して、今や若手人気ナンバーワンの売れっ子女優。とても綺麗で、画面からも美のオーラが伝わって来る気がしました。実はママも、結婚前はアイドルグループに入ってた元アイドル。全然売れなかったのですぐ解散しちゃったみたいですが、今でも年齢の割に美人なのには違いありません。背も高くてスタイルの良いママは、若い娘にライバル心を燃やしてしまう困った人でした。

「…ですから今度実用の始まるメイドロボの最大のセールスポイントは、使用者の好みに合わせてカスタマイズ出来る点にあるのです。例えば、容姿ですが、人気タレントにそっくりのメイドロボを皆さんご覧になった事はありませんか?」

「パパがテレビ出たら良かったのに」
「ミツオ君はそういうの駄目よ。ビジュアル系じゃないんだから」

所長のサカイさんには悪いんですけど、実際に開発したパパがテレビに出たら良かったのにと、私は素直に口にしただけでした。でも、そうしたら途端にママに否定されちゃいました。確かにパパは外見に全く気を使わないし、ママより背が低くて口下手。とてもテレビ向けじゃないと言われると反論出来ません。家では年上のママに「ミツオ君」と呼ばれて頭が上がらないようですが、私達はとても仲の良い家族です。見た目は悪いけど頭が良くて優秀なパパと、今でも抜群のルックスのママはお似合いの夫婦だと思います。

ママとそんな他愛のないおしゃべりに興じてる私は橋本明日香。高校3年生になったばかりですが、一応大学進学を目指してる受験生です。ママの外見とパパの頭とイイトコドリ出来たら良かったんですが、世の中そんなに甘くはありません。見た目は普通だと思うんですけど、マジメ過ぎると敬遠されるのか、残念ながら彼氏いない歴イコール年齢、と言うのを更新中です。ちなみにパパみたいな研究職に憧れている理系女子なんですけど、目指している国立大学に進むのはかなり難しそう。女子の少ない理系進学クラスなのに、ちっともモテた試しがない、と言う困った女の子なのでした。

「…さて、ここでサプライズがございます。実はワタクシ、メイドロボなんですよ」
「いや、ビックリしました。ソックリですね」

何とシマムラマイコさんの本物が出て来て、メイドロボと対面したので、見ていた私もビックリです。実際に見たら違うんでしょうけど、少なくともテレビ画面を通したら、双子だとしか思えません。見た目だけじゃなくて、声やしゃべり方まで完璧にソックリで、ここまで技術が進んでいるなんて凄いの一言でした。でも不思議な事にママはそんなに驚いてはいませんでした。そして、妙に落ち着いた口調で私に話し掛けて来たんです。

「明日香ちゃん。パパ今ね、男性型作ってるんだって。研究のピークらしいわ」
「あ、だから今帰りが遅いんだ」
「遅いなんてもんじゃないわ。昨日なんか帰って来てないのよ」

それ、私は知りませんでした。パパは忙しいと午前様と言うこともあり、朝出かける時に顔を合わせないからと言って、いないのかどうか私にはわかりませんから。

「やっぱり私が余計な注文したのがいけなかったのかしら。執事ロボはハヤシダアツシ君がいいわって」
「もう、ママったら」
「明日香ちゃんもそう思わない?」
「そりゃそうだけど。でもメイドロボってすっごく高いんでしょ」

ハヤシダアツシと言えば、イケ面で国民的人気俳優。執事役もバッチリはまりそうですけど、メイドロボは高額で、まだ個人の手に入るようなものではない筈です。

「はい。明日香ちゃんはお勉強よ」
「ねえママ。私やっぱり塾に行きたいんだけど」
「そんなお金はありません。大学も国立じゃなきゃダメよ」

こんな貧乏なわが家に、高額なメイドロボや執事ロボなど夢物語でした。ところが、何とパパが開発してた執事ロボが無償で提供される事になったんです! しかもメイドロボと違い、初めて完成したタイプなので、これが日本で唯一の執事ロボと言う、信じられないような好条件。でもこれには深い理由があったのでした。

「実は橋本さんに折り入ってご相談がありまして。ご主人の事です」

あのテレビを見てから数日後、なぜか夜わが家を訪れた所長のサカイさんは、一緒に来ていた2人の若い人と一緒に、深々と頭を下げました。私も呼ばれたんですけど、どうやらそのため学校の終わっている時間帯に来られたようです。サカイさんの連れの2人は、部下の研究者みたいでした。

「主人が何か?」

実は、その時点でパパは3日連続で家に帰って来ていませんでした。ママは私に、ミツオ君手が離せない実験してるのよ、と言ってましたが、その関係でしょうか? でもやっぱりママは意外と冷静で、私の方が何かあったのか心配で、取り乱してしまいそうでした。ママはパパを通じてその実験内容を知っており、その時伝えられた深刻な事態についても、ある程度予測していたようです。

「これは絶対、他の方には内緒にしておく事を約束して頂けますか?」
「はい。もう覚悟はしておりました」

どうやら何も知らなかったのは私だけだったようです。所長さん達の話は、私にとっては寝耳に水でした。研究所では今、メイドロボを超える執事ロボ開発の最終段階に入っており、より人間らしさを加えるため、パパが実験台になって脳を接続していたんだそうです。ところが、実験を終えてもパパが意識を回復せず、ずっと植物人間のように昏睡したまま。

そこまで聞いていた私は、ママが黙っているのに耐えられず口をはさみました。

「それって、父は殺されたようなもんじゃ…」
「明日香! 違うのよ。ママが後で説明してあげるから」

ママに割って入ってもらった所長さん達は、助かります、と頭を下げ、お詫びに完成した執事ロボを無償で提供すると言って、そそくさと帰って行きました。ママにもっと詳しい説明を求めましたが、来てみたらわかるから、とはぐらかされてしまいました。ママは適当な人なので、私もそれ以上無駄な追求はしません。

その次の日の夜、早速所長さんが車で連れて来た執事ロボに私は唖然としてしまいました。

「奥様とお嬢様でございますね」

ーーマジ!? ハヤシダアツシじゃん!

目を疑うとはこの事でしょう。その執事ロボは、ママのリクエストしたイケ面人気俳優にソックリでした。年齢の割に落ち着いた渋い声も、テレビで見るのとまるきり同じ。思わず絶句して凍り付いてしまった私と違い、ママは明るい声で言いました。

「お帰りなさい。ミツオ君」

そしてママは玄関で立っている長身の執事ロボの隣に行き、嬉しそうに少し背のびして、ほっぺにチュッとキスマークを付けちゃったんです。もともと娘の前でも恥ずかし気もなくパパとベタベタしちゃう人だったんですけど、このハヤシダアツシはロボットなんです。すると、ママは怪訝そうにしてる私に向き直って言いました。

「明日香ちゃん。パパは生まれ変わったのよ。頭の中はパパで、体はハヤシダアツシ。ね、最強でしょ?」
「ちょっと待って。そんなの信じられないよ」
「じゃあ、確かめてみるわね。ねえ、ミツオ君」
「奥様。ワタクシの事でございましょうか?」

真っ赤なキスマークを頬にべっとりと付けられながら、執事ロボは当然ながら照れるでもなく、無表情で淡々と応答します。落ち着き払った渋い低音の声は、ハヤシダアツシそのもので、まるで彼が執事役を演じているように見えます。黒い執事服もバッチリ決まっており、一瞬これは現実の事なのだろうかという疑問が頭をよぎりました。しかしよく考えると、ここまで全く感情を表さず、ママの呼びかけにもすぐには答えない執事は、やはりロボットだとしか思えません。

「明日香ちゃん。ミツオ君、まだ慣れてないのよ」
「申し訳ございません、奥様」
「橋本光男の記憶はあるわよね」
「その筈ですが」
「じゃあ、この家での最後の記憶を明日香ちゃんに教えてあげて。この子、もう寝ちゃってたから」
「奥様の毛を剃らせて頂きました」
「あ、違うのよ、えーっと、そう腋毛の処理してもらったの」
「いえ脇毛ではございませんでした」
「あ、も、もういいわ、ミツオ君。それより、私をお姫様抱っこして、ベッドまで運んでくれない?」
「かしこまりました」

毛を剃った話をごまかされましたが、執事ロボの逞しい腕にお姫様抱っこされて、幸福そうにしがみ付いてるママを見てると、私まで嬉しくなって、このロボットを受け入れる気分になって来ました。

「ね、最強でしょ?」

最後にベッドに寝かせてもらって、再びほっぺにキスマークを付け、ピースサインで私に同意を求めるママ。デリカシーがなく、毛を剃った話を平然としちゃうのは最低ですけどね。

ーー脇毛じゃなかったら、一体どこの毛を剃られたのよ、ママ……

この時まだ私は、まさか自分まで最低執事に毛を剃られてしまう運命だとは思ってもいませんでした。

 

 
toukou

 

 

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