クロス・ラヴ(第3節) 2脚のソファで

【第10話】

 

深く愛し長く付合っていれば目を閉じても、肌に触れただけでそれが恋人であるか否か分かるものだ。
たとえそれが髪の毛であったとしても。
そして光の届かない暗闇の中であったとしても。
真の恋人同士とはそういうものだ。

俊介は鋭敏に違和感を感じ取った。
しかし「まさかありさが間違って浩一の方へ行き、球がこちらに来るはずがない」という思いもあったから、「風呂上りなのでちょっと感触が違うのかな?」と軽く流そうとした。
ありさと球とは偶然にも髪が肩までの長さと、似通っていたことも俊介の判断を誤らせた要因と言えた。

ところがありさがとった行動は球とは違っていた。
球のように男の腹部に頬を摺り寄せ徐々に胸元に顔に近づけていくと言う動作ではなく、一気に浩一に抱きつき唇を重ねてきたのだ。
これではいくら愚鈍な男でも異変に気づかないはずがない。
ましてや浩一は人一倍敏感な男である。
直ぐに球でないことを感じとり肝をつぶしてしまった。

(チュッ・・・)

浩一「・・・ん?・・・!?んんっ・・・!?おい!お前、ありさだろう!!人違いだよ!!オレは浩一だよ!俊介は向こうだよ!!」
ありさ「にゃんにゃん~、チュッ・・・」
浩一「うぷっ、うっ!おい!にゃんにゃん言ってる場合じゃないだろう!オレは浩一だってば~!!」
ありさ「いいのお~(チュッ)」
浩一「よかないよ!おい!ダメだよ!うぐっ・・・!」

浩一は上に乗っているありさを払いのけようとしたが、ありさは執拗に絡みつき浩一に迫った。

俊介(何か様子が変だ・・・)

浩一と同様に俊介もまた密着してきた女性がありさではないことに気がついた。

俊介(ってことはこの女はもしかして・・・ギョッ!)

俊介「お、お前、もしかして球かあ~~~!?」
球「にゃはは、ばれたか~」
俊介「ばれたかじゃないよ。これ一体どうなっているんだ~!?」
球「いいの~。これはお正月用のイベントだから~」
俊介「イベントってそんな無茶な~。これ、かなりヤバイ状態だよ、早くありさと入替わってくれよ~」
球「たまにはいいじゃないの~。今夜限りなんだから~」
俊介「たまって言ったって・・・そんなのダメだよ」
球「いいの~」

球は強引に俊介の唇を奪ってしまった。

俊介「うっ・・・うぐぐ・・・だ、ダメだよ~、球~、うっ・・・うっぷ・・・うっ・・・」
球「今夜は4人がお互いに公然と浮気をするのよ~。ね?素敵なイベントでしょう?ちゅっ」

公然と浮気をする・・・とさらりと言いのけた球の言葉に俊介は驚きはしたものの、彼女たちの一見無秩序で破天荒とも思える行動が、実は彼女たちの手で事前に練られた行動だと察知して、俊介はそれに乗ってみようと考えていた。

俊介(でも、オレが球を抱くと言うことは、ありさが浩一に抱かれることを認めるってことだよなぁ・・・)

自分は他人の彼女を抱こうとしているくせに、自分の彼女が他人に抱かれることは納得がいかない・・・
俊介は複雑な心境の中でメラメラと嫉妬心が燃えるのを抑え切れなかった。

【クロス・ラヴ(第3節) 完】

 
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