バレンタイン~白い幸福~ キスの雨

 

【第3話】

『ブラン ボヌール 』はフランス南部の地中海料理がメインで、そのためオリーブを効かせた料理が多く、イヴにとっては満足のいくものであった。
車井はそれほど強い方ではなかったが、イヴの好みでふたりはワインを傾けた。
初めはイヴが最近観た映画の内容で盛り上がったが、やがて話題は例のプレゼントの件へと移った。
車井はやはりあの包装された下着がイヴからの贈り物であると見抜いていた。

「早乙女さん、おしゃれな下着をありがとう。最初はチョコレートかな?って思っていたんだけど、包装を解いて驚いたよ。まさか下着とはねえ」
「すみません、驚かせてしまって。でもチョコレートじゃなくて残念だったのではありませんか?食べられないものですし」
「いや……早乙女さん、それじゃ遠回しじゃなくてはっきり言うよ。あの純白の下着を着用して欲しい。もちろん僕が見られる場所でね」
「えっ……?」
「君は僕に女性下着をプレゼントしてくれた。ふつう男性に女性下着をプレゼントしたりはしないもの。それをあえて僕にしてくれたということは……」
「その先は……その先はもうおっしゃらなくても結構です。おっしゃるとおり私は車井課長が大好きです。以前からずっと憬れてました。ちょうどバレンタインだしこの機会に私の気持ちをお伝えして、課長がお望みなら私をチョコレートの代わりに召し上がっていただきたいと……そう思ったのです」
「ありがとう。僕も君のことが大好きだ。前からずっと気になっていた。いつか……なんて勝手な妄想を描いていたことも確かだよ。君の気持ち、今夜ありがたく頂戴するよ」

イヴは真剣なまなざしで車井を見つめ小さくうなずいた。

食後のコーヒーはかわいいデミタスカップで出てきた。
イヴは一口飲んで少し苦く感じたのでミルクを足した。

(今夜ついに車井課長と結ばれるのね……)

この後のことを思い巡らすと、胸が火が点ったかのように熱くなる思いがした。
ふたりは表通りに出てタクシーを拾った。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

シャワーを浴びたイヴはバスタオルで身体を拭ったあと、真新しい純白のランジェリーを着用した。
自分がプレゼントしたものを、相手が持参して自分が着用するというのも何やらおかしな話だが、イヴとしてはその下着を着用できる夢が叶ったことが何よりも嬉しかった。
自分で選んだわけだからサイズは当然ぴったりだ。
下着を着けながらイヴは思った。

(もうすぐ車井課長にこの白いパンティを脱がされるのね。まさかこんなに早くその時がやってくるとは思わなかった。すごく嬉しい……車井課長は私をどんな色に染めるのかしら……)

イヴは下着の上からガウンを羽織って、車井のいるベッドの方へと近づいた。
緊張のせいか少し顔が強張っている。
すでにシャワーを浴びた車井は照明を暗めにして、ゆるやかな音楽を小さな音量で流している。
緊張感を和らげるにはイージーリスニングが最適だろう。
初めての夜にクラシックは硬すぎるし、歌詞のあるポップスは不適切だ。
その辺の選曲はさすがだな、とイヴは思った。

イヴがガウン姿で現れると、車井は自らイヴに近づき抱擁し唇を求めた。

(あぁ……車井課長とキスしてるんだ……)

車井は唇を重ねながらイヴの背中に腕を廻し強く抱きしめた。
イヴの気持ちが昂ぶっていく。
まもなくイヴはソファに倒され、首筋や肩にキスの雨が降り注いだ。

「早乙女さん、君が大好きだ……君が欲しい……」
「課長……嬉しいです……私も前から……課長のこと大好ききでした……ああ……」

言葉がとぎれとぎれであったが、車井にはイヴの真意が十分伝わっていた。
背中のホックが外されブラジャーのストラップがゆるむと、イヴの白磁のような乳房が現れた。
それはまるで小ぶりのお椀のような美しい形状であった。

車井は胸全体を丹念に愛撫し、乳首にはキスを繰り返した。

(ああ……)

上半身の愛撫はそのまま続け、さらに一方の手は下半身へと伸びた。
見事にくびれた腰部を慈しむように撫で、その指は臀部の美のカーブへ向かっていた。
美しい女体に纏いつく指……
これが嫌な男なら虫唾が走る行為なのだが、好きな男にされたらそれが快感となるから不思議。

「ああ……課長……」
「早乙女さん、君は美しい身体をしているね。いくら見てても飽きないよ。最高だよ」
「嬉しい……」

 
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