私の身体を捧げます セーラー服を解いて

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【第3話】

 

「セッ……クス……」

辛うじて声にしたのは、教室という学び舎には不似合いな単語である。

優子は全身を石のように固めた。
なのに身体を支えているはずの両足は、情けないくらいに震えていた。

「川口さんの推察通り、僕には付き合っている彼女がいるんだ。僕達と同じクラスの富永さん。まぁ、僕は彼女と付き合っているから、麗華って、下の名前で呼んでいるけどね。彼女も僕のことを隼人君って」

「富永さん……」

「そう、彼女って、学年一の美女って噂されているよね。スタイルも抜群だし、顔だって、グラビアを飾るどこかのモデルさんにも全然負けないくらい綺麗だし」

「そ、そうよね。吉村君とならお似合いのカップルだよね」

訊きもしないことを告白された。
恋人であろう彼女の容姿が、ありありと優子の脳裏に描かれ、それは直ぐにぼやけた画像として処理された。

「でも川口さんだって、悪くないと思うよ。比べる相手が麗華だからいけないんだ。君だって普通レベルに可愛いし、普通レベルにスタイルだってそんなに悪くない」

「あ、ありがとう」

優子は固い表情のまま笑った。

「ちょっと、脱いでみせてよ」

「えっ?!」

引きつった笑みは、吉村の発した一言により一瞬で消えた。
唐突すぎる要求を前にして、ただ戸惑いの表情のみが優子の顔に残された。

「だから今すぐに制服を脱いでみせてよ。僕とセックスするんだよね。だったら、川口さんの本気をみせてくれないと」

「ここで? 今すぐに?」

「君と違って、これでも結構忙しいんだよね。今夜も麗華に誘われているしさ。いろいろ」

「いろいろって……」

実らぬ恋として自覚はしていたのだ。
それは高根の花だと、これまで自分に言い聞かせてきたのだ。

けれども積もり積もった切ない想いは、少女を過激な行動へと駆り出させていく。
たった一度でいいから想い人と交わりを。
想い人に自分の身体を好きにさせて。

なのに、恋に溺れた初心な17才の願いは、想像だにしない環境で実現しようとしていた。

(わたしは隼人君のハートを……ううん、ハートの欠片をつなぎ留めようと、そのためならわたしの全てを捧げようと思ってた。でも、ここは教室なの。今日も一日、クラスメイトのみんなと勉強をした所なの。でも、このままだと隼人君は今夜も富永さんと……)

ホテルが叶わないとしても、せめて優子の、あるいは恋してる男の部屋で。柔らかなベットの上で。

17才の多感な少女が夢見るのは、当たり前すぎる男女の光景であった。
まだ男の身体を知らない処女な女の子の、メルヘンチックな男女の交わりであるはずであった。

「脱がないなら、僕は帰るよ」

「ま、待って……脱ぐから。ここで吉村君にわたしの身体を見てもらうから」

向き合っていた男物の学生服が、優子の前で背を向けようとしていた。
もう時がなかった。
考える猶予さえも与えられなかった。

優子の手が身に着けていた制服に触れた。
首元から臙脂色のスカーフを半ば強引に引き抜いていた。

シュルシュルと、ファスナーが引かれる音がする。
勢いづいた指の背中が、優子の脇腹まで撫でこすっていく。

(脱がないと! 隼人君がわたしを見捨てて帰っちゃうから)

心のどこかに羞恥心はあるはず。
男の前で脱衣をしようとしている。それを押し留めようとする乙女心は、きっと存在するはず。

「うぅ……ふぁっ……」

全開にされたファスナーのお蔭で、セーラー服の側面がざっくりと開いていた。
優子はソレを頭から一気に引き抜いていく。
結構、雑な脱ぎっぷりであった。
髪の毛が乱れるのも構わずに、どこか古風な感のあるネイビーブルーの制服を、瞬く間に脱ぎ終えていた。

「なぁーんだ。中に体操服を着こんでたんだね。てっきり白い下着が拝めると思ってたのに」

「ご、こめんなさい。5時限目の授業が体育だったから。その後、着替える時間が余りなかったの。だから」

「ということは、下にも履いてるってこと?」

「ううん、下はちゃんと脱いでるから」

二の腕に紺色のラインが引かれた白い体操服。
その胸元を両腕が何気なく隠しかけて、優子は慌てて振りほどいた。

 

 
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