私の身体を捧げます 女子高生の告白

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【第1話】


『あ、あの……吉村君……これ……時間がある時でいいから……読んでくれたら……』

耳の鼓膜に記憶されたセリフは、哀しいくらいに弱々しいものであった。
なのにそれが何度も何度も、リピートされ続けている。

「はぁーっ、わたしって本当にバカだよね。吉村君にあんなことして」

放課後の教室は、つぶやく彼女の他に誰もいない。
少しオレンジ色をした陽射しが山裾に吸い寄せられるように傾き、どこか寒々しい空気だけが漂っていた。

「来るわけ……ないよね。それに本当に来たりしたら、わたし……」

窓際の誰かの席に腰かけていた。
見るでもなく外の景色に目をやりながら、その彼女、川口優子は独り言を続けた。

「覚悟……できてるのかな? わたしの初めてのモノを捧げる覚悟って、優子は本当にできてるの?」

机に頬杖を突き、手のひらによって軽く歪ませた口元から問いかけてみせる。
その答えを返すのは、もちろん優子自身。
無意味なことと分かっていながらも、声にしなければ揺れる心は落ち着かない。
そんな気に捕われていた。

「その前に、吉村君……読んでくれたかしら。わたしが待ってるのに、もう帰っちゃったかも」

昼休みも残り10分余りのことであった。
5時限目の授業が体育ということもあり、ほとんどのクラスメイトが教室を後にする中、さり気ない風を演じて手渡したのだ。
たまたま居残っていた吉村という男子生徒に、優子は例のセリフを語りながら、手紙をそっと……

「そうよね。冷静に考えたら無視されるよね。もし目を通してくれたとしても、あんなバカなお願い」

整った顔立ちの上、性格はいつもクールな感じで、さらには学力もスポーツも万能で。
クラスの女子のみならず、他のクラスの同級生からも。
下級生や上級生の女子たちの間でも噂の絶えない。
そんな超モテっ子男子生徒に、優子は声をかけたのだ。
心臓の鼓動を耳もとで聞きながら、目眩を起こしそうな両目で必死に周囲の気配もうかがいながら。

そして、優子が一晩を費やして書き上げた手紙を、吉村という少年は己の制服のポケットにしまったのだ。
さらりと切れ長の目を走らせると、愛らしいデザインがあしらわれた横長の封筒を強引にねじ込むようにして。

(わたしはそんなに美人じゃないと思う。それに勉強や運動だって、普通のレベル。でも、吉村君のことが気になって仕方がないの。隼人君のことを思うと、最近はなにも手につかなくなるの。それなのに夜になると……一人でベッドに横たわっていると、隼人君が……そう、優子の横で添い寝している気がして……そうしたら腕が勝手に……こんなことをしたらイケナイのに、優子の指が勝手にわたしの感じるところを……おっぱいや、それよりもキュンとしちゃう女の子の恥ずかしいところまで、触ってるの。いつの間にかパジャマなんか脱ぎ捨てて、ストレートに優子の指が揉んだりこすったり……)

さすがに声にしてはならない告白であった。
窓を隔てたグランドで、クラブ活動に汗する若々しい掛け声を聞きながら、優子は心の想いを露わにしていた。
どうしようもないほど心が揺れ動く17才の少女は、軽はずみな行為と知りながらも、胸を焦がす少年を待ち続けていた。
限りなく0に近い可能性を彼女自身が知りながらも、そんな彼が使用していたであろう机を見つめては、次第に荒くなる呼吸を繰り返すのだ。
ほのかな痺れさえ覚える指先をスルスルと下半身へと運ばせ、スカートに包まれた両足を薄く開かせては、腿と腿の肌をこすり合わせもさせて。

「えっ?! 今、なにか聞こえた」

窓ガラスを通して聞こえる青春の声を、突如、優子の耳が遮っていた。
そして、廊下に響くコツコツとした靴音を拾っていた。
それが間違いなく、優子がいるこの教室へと近づいていることも。

 
 
 

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