いや! そんなもの挿れないで 第三の男

【最終話】

 

衣葡自身は万引きなどしていないことを確信している。
これはきっと何かの間違いだ。填められたのかも知れない。
仮に本当に万引きをしたとしても、万引きした客を店主が人の弱みにつけ込んでいたぶるのは違法だし卑劣な行為だ。
万引き犯を警察に突き出さない代わりにその女性を凌辱するなどもってのほかだ。
しかし気が動転してしまっていた衣葡としては店側の言葉に従うしか無かった。
衣葡は白い肌を恐怖に震わせながらも、身体を起こして床に這った。
糸田は床に這ったまま全身を凍り付かせている衣葡の背後に立った。
しゃがみこむ。

「もっと足を広げようか」

衣葡は口惜しさの涙を浮かべながら膝を左右に拡げる。
糸田が衣葡の腰を掴んだ。
逆らう気力も萎えてしまった衣葡は四つん這いのまま息を凝らした。
松野に散々いたぶられたショックから立ち直ることができないのだ。
しかし肉棒の先端を膣口に添えられると、衣葡は動揺し腰を逃がすため身体をよじろうとした。
そんな儚い抵抗も糸田にとっては些細なことであり、衣葡の腰を掴んでいる手に力を入れるだけで、抵抗を封じてしまった。

「許して……お願い……」

すっかり意気消沈した衣葡は肉棒を挿入されようとする瞬間を前にしてすべてを諦めた。
糸田は何度か陰唇に肉棒を滑らせて、ぬめりを得てから、膣内への侵入を開始する。
散々松野に刺激されて潤いきっている膣粘膜は、衣葡の意志に反して、容易に肉棒を受け入れた。
それどころか、まるで奥へと誘うように膣肉がうごめいてさえいた。
肉棒を突き込まれた衣葡は思わず声を漏らした。

「あぁ……うっ……」

すっぽりと突き込まれた肉棒が引き戻され、また押し込まれる。
糸田は単純な動きを繰り返し、膣内を蹂躙した。

「ふふふ、ソーセージより細いが感触はこっちの方が断然いいだろう?」
「……」
「え?どうなんだ?『いい』って言えよ」

糸田は膣壁を強く擦る。

「いい……」

後ろから糸田に突かれながら催促されると、仕方なく心にもない言葉を漏らした。
糸田は衣葡の尻に叩き付けるような勢いで自らの腰を前後させる。
「パンパンパン」と言う後背位特有の尻肉を打撃する音が鳴り響く。
糸田が腰の動きを速める。

「いやぁ……激しすぎる……もう許して……」

肉棒を突き込みながら糸田は言った。

「俺も中に出すぞ。店長が中に出して俺がダメだってことはないよな?」
「お願い……中に出すのだけはもうやめて……」
「ふん、うるせぃんだよ」

声を震わせ哀願する衣葡だったが、糸田は止まるはずなく、腰を激しく打ちつけてくる。

「で、出そうだ!もう出る!」

と、その時だった。
事務室のドアがバタンと開き店員の車谷が現れた。
衣葡への『私的取調べ』に協力しなかったことで、爪はじきにされ陳列の整理を命じられていた車谷が舞い戻ってきたのだ。

「ん?車谷か。どうした?」

ふと見ると車谷は火事でもないのに粉末消火器を携えている。
松野が問いかけても車谷は沈黙したままだ。
まもなく発射を迎えようとしていた糸田も、腰の動きを止め怪訝な表情で車谷も見つめている。

「それは消火器じゃん。どこも燃えてないぞ」
「いや、燃えているよ……」
「はぁ……?」

車谷は一言つぶやくと、突然粉末消火器の安全ピンを引き抜いた。
そしてホースを外しノズルを糸田に向けた。

「おい!何をする気だ!やめろ!」

車谷はレバーを強く握った。
「ビシュ~~~!」と勢いよく噴射された消火薬剤は糸田の顔面に直撃した。

「うわ~~~~~!!」

糸田は堪らず衣葡から離れ、叫び声をあげてもがいている。
ノズルは方向を変え、松野に向けられた。

「や、やめろ~~~!!」

消火薬剤は松野の口元から首筋辺りを直撃した。

「ひぇ~~~~~!!」

車谷はまだ薬剤が残る粉末消火器を放り出し、衣葡の元に駆け寄った。

「さあ、早く逃げよう!」

肩にスプリングコートをかけてやり、衣葡の手を取り急いでその場から逃走した。

「待て~~~!」
「店長、それより目が、目が痛いっすよ!」

松野と糸田は消火薬剤を浴びせられ混乱しており、二人を追うどころか消火薬剤を拭うことに懸命になっている。
通常粉末消火器は吸い込んだり、目に入っても安全な成分になっているが、できるだけ早く洗浄するに越したことはない。

車谷と衣葡はコンビニの勝手口から飛び出し一目散に駆けていった。
逃走時慌てていたため、車谷は携帯電話をロッカーに置き忘れ、衣葡は例の事務室に置いたままであった。
昨今は公衆電話がほとんど見つからないため、二人は交番所を目指したが、幸いにも途中で通行人の男性二人と出会い助けを求めた。
男性二人は事情を聴く前に、衣葡がスプリングコートの下に何も身に着けていないことに驚きを隠しきれなかったが、一刻を争うことを察知し速やかに警察に通報した。
まもなくパトカーが到着し、無事衣葡たちを保護するとともに、コンビニ内で下半身裸のままうろついている松野たちを発見し現行犯逮捕した。

後に警察で詳しく取り調べが行なわれ、当然ながら衣葡も事情聴取されることとなった。
衣葡は臆することなくありのまま全てを話した。
その結果、松野と糸田は、刑法第一七七条『強姦罪』、同法第二〇四条『傷害罪』等の罪で起訴された。

なお、衣葡が万引きしたとされた生理用品は、取り調べの結果、雑誌コーナーで立ち読みしていた衣葡の背後から店員の糸田がそっとコートのポケットに入れたことが判明した。

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「あんな出来事からこうして恋人同士になることってあるのね?」
「うん、不思議なものだね」
「あなたが助けてくれたから今の私があるのよ。あなたには感謝するわ」
「本当に酷い目に遭ったね。でも嫌なことは早く忘れようね」
「思い出すとつらいけど、あなたと出逢えたのだから私は幸せよ」
「もっともっと幸せにしてあげるからね」
「ええ、楽しみにしているわ」

桜がやっと蕾のまだ少し早い肌寒い夜、ふたりは心行くまで抱合った。
そう、何事もなかったかのように。

【いや! そんなもの挿れないで 完】

 
 

 
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