全ての者に愛の手を 日常の崩れる音(1)

【プロローグ(1)】

私は悪魔の誘惑に負けた。いえ、その悪魔こそ私の神だった。
私は二人の神に仕えている。一人は天に立ち、我等全ての人に愛をくださる十字架を象りし神。
もう一人は、年下の男性。神に仕える私に、悪魔の快楽を教えてくださった方。私を誰よりも大事にしてくれる方。

―――
――

「さようなら。気を付けてお帰りなさい。」
「はーい。先生さようならー。」

生徒達が明るい笑い声を上げ帰っていく。
ここは私が勤める私立律海女子高等学校。ミッション系の学校としては日本で五本の指に入るマンモス校。

私はその学校の音楽を担当する教師、暁 炎之花(あかつき ほのか)。
事故により視力を失った私を迎え入れてくれた理事長の恩恵により働かせてもらっている。

生徒は私のことを美人と言ってくれる。
そのことを私は恥じる。神に仕える私にとって必要のないことだから。必要もないのに、体に女としての凹凸が出来ることも。

「ふぅ…さて…」

ドンッ

校内に入ろうとした私の前に人が立っていたらしく、ぶつかって転んでしまい、尻餅をついてしまう。

「キャッ…」
「あ、すいません。大丈夫ですか?」

これが彼との出会い。
始めに感じるのは優しい声。次に感じるのは煙草の匂い。
彼は手を差し延べて、私の手を握り引っ張り起こした。

「あッきゃッ…!?」
「あ、ごめんなさいッ。そんなに驚くなんて…。目が見えないみたいだから勝手に起こしちゃって。迷惑ですよね?」

「あ、いえ、ありがとうございました。…でもどうして目のことを?」
「ああ、杖ですよ。杖。その白い杖、目の障害者用の杖でしょう?」

なかなか鋭い。確に私は障害者用の杖を持っている。
それを目にしてすぐに目が見えないと確信したらしい。

「はい、これ杖。」

彼は私の手を握り、杖を持たせてくれた。
大きくてゴツゴツした手。温かく、私の冷え症の手に温もりを与えてくれる。

「ありがとうございます。」
「俺が言うのもなんですが、気を付けてくださいね。」
「はいッ。」

私の顔は赤くなっていただろう。男の人と話すのは久しぶりだし、こんなに優しい人初めて出会ったからだ。

「じゃあ俺は行きますね。」

彼はすぐに行ってしまった。
この時、私はまた彼に会いたいと思っていました。

その後、私は学校の雑務を済ませ、いつも行く喫茶店に足を伸ばす。目が見えない私は食事を作ることが出来ないため、帰宅する前に夕食を済ませて帰宅するのだ。

カランッカランッ
喫茶店のドアの来店を知らせる鐘が鳴り、私は店内に入る。

「いらっしゃいませ~。」
店長が私を出迎え席へと案内してくれる。
「注文が決まったらまた呼んでね。」

ここの店長は女性。須藤 綾香(すどう あやか)さん28歳。
既婚者であり喫茶店の看板娘とも言える美貌の持ち主。私の目が見えていた頃から喫茶店を経営しているので、彼女の美しさは覚えている。
少しきつめな顔立ち、ロシア人のお婆様譲りの銀髪のストレートのロングヘア、スラッとしたスレンダーな長身。
まるでモデルのような美しさだった。その美しさはまだ変わらないらしい。
いえ、大人の色気が加わり更に美しくなってるに違いないでしょう。

 
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この作品は、ひとみの内緒話管理人、イネの十四郎様から投稿していただきました。 
尚、著作権は、「ひとみの内緒話」及び著者である「ふるふる様」に属しております。
無断で、この作品の転載・引用は一切お断りいたします。

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