シチリアの熱い風 街角のカフェ

【第5話】


元々帰る時期など考えていなかったものの、経済的な問題もある。

帰国することも考えなければならない。
いっそ、イタリアで就職するのも方法だ。
看護師の資格を持っているのだから、仕事には困らないはずだ。
そんなことも考えながら、ついジョルジョとの蜜月のような日々の快楽にイヴは溺れてしまっていた。

ジョルジョとは毎日のように会う。
そして毎日のようにセックスをする。

「イヴ、コンニチワ!」
「ジョルジョ、ボン・ジョルノ!」

「うふふ」
「ドウシテ笑ウノ?」
「だって、二人の挨拶、全く逆じゃない~」
「ハッハッハ~!本当ダ。ネエ、ボク、日本語ウマクナッタダロウ?」
「ええ、すごい上達よ~。大したものだわ」
「イツモイヴニ、ベッドデオシエテモラッテルカラダヨ」
「そんなこと大きな声で言わないでよ~。恥ずかしいじゃないの~」

街角のカフェで待合わせをした二人は、早速会話に花が咲く。
言葉が通じにくければ分かり合えないと思っていた。
でも違う。
肌と肌を重ね合うだけで、心は通じ合う。
それって錯覚?
いいえ、そんなことはないはず。
だって、ジョルジョのこと、間違いなく恋してる。
でもいつまでこうしていられるのかしら。
ジョルジョと結婚ということになると、やっぱりピンと来ない。
そう思うといつかはやってくる別れを想像して、すごく悲しくなってしまう。
イタリア最南端の島シチリアは、1年中温暖で花が咲き、はちみつの採れる花だけでもビワ、オレンジ、クローバ、タイム、栗などがある。
開花時期を見計らって、重なった時期に咲くものからはミックスを、ズレた時期に咲くものからは単一のはちみつを採取している。
特にシチリアのオレンジは有名で、イタリア国内でも他のものと区別して扱われている。
その果肉はオレンジ色というより赤色で、搾って飲めばトマトジュースと間違えてしまうほど。

私はバルコニーに座って、そんな真っ赤なオレンジジュースを飲みながら夕暮れの海をボーッと眺めていた。
大好きなジョルジョのこと・・・そして、日本で別れてきたあの人のこと・・・
 
すると突然、室内の電話がコールを告げた。

(誰だろう?ジョルジョなら携帯に掛けて来るはずだし・・・)

私は受話器を取った。
するとホテルのフロントからだった。

 

 
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