【第4話】
脱衣時にはつい屈み込んでしまうので、引力に逆らえない乳房がひときわ誇張される。
一糸まとわぬ姿となってしまったありさは恥ずかしさのあまり両手で秘所を覆っている。
「手で隠していたら証明にならないじゃないか」
車野山の放った一言でありさはすごすごと手を放す。
繁みはかなり薄めで辛うじて秘所を隠している。
それでも車野山は、
「よく見えないな。繁みの中に隠している可能性もあるし」
意地の悪い詰問を浴びせさらにありさを窮地へと追い込んでいく。
「隠してなんかいないです。こんなところに隠せるはずが無いじゃないですか」
「それはどうかな?まあ調べれば分かることさ。そこに横になってもらおうか」
車野山は宿直用の簡易ベッドを指差した。
「嫌です!そんなこと絶対に嫌です!」
逆らうと不利益になると考え車野山の指示に従っていたありさだったが、この時初めて拒絶の態度を示した。
「嫌だって?じゃあ警察に電話するけどいいんだね。もちろん大学にもね」
車野山は定期入れの中に入っていた学生証をちらつかせながらありさを威嚇した。
「それは……」
「それは困ると言うんだね?じゃあ盗んだものは3つだけだってことをちゃんと証明しなきゃ」
(あぁ、どうしてあんなことをしてしまったんだろう……)
深い悔恨に包まれたありさの頬に一筋の涙が伝った。
後悔してももう遅い。今は車野山の言葉に従うより他に方法はないだろう。
無言の圧力がありさを冷たい簡易ベッドへと導いた。
簡易ベッドは警備員が宿直する際仮眠用として配備されているものだ。
ありさは硬いベッドに登り恐る恐る横になった。
車野山は仰向けになった全裸のありさに近づき冷徹な指示を出した。
「そんなにぴたりと膝を閉じていたら確認できないじゃないか。少し開いてもらおうか」
「でも……」
「……」
無言の圧力がありさに襲い掛かる。
「分かりました……」
ありさは蚊の鳴くような声を奏で小さくうなづいた。
両手で顔を覆ってはいるものの指の隙間から赤面した表情がうかがえる。
脚がぴくりと動いた。
脚がわずかに開く。
「そんなんじゃ分からないな。もっと大きく開かなきゃ」
「……」
車野山はわざと顔を股間に近づける。
「見ないで……」
「脚を閉じちゃダメじゃん。割れ目を拡げて中に何も隠していないことを証明してくれなきゃ。ありさちゃん、自分の指で拡げてみて」
「えっ!?どうして私の名前を?」
「ははははは~、だって学生証に名前が書いてあるじゃないの」
「……」
「そんなことはいいとして、早く拡げて見せて」
「そんなことできません」
「できないって?いつも寝る前に脚を広げて触っているんじゃないの?」
「そんなことしてません!」
ありさは眉をきっと吊り上げ車野山を睨みつけた。
「怒った顔も結構いいじゃん」
「……」
「自分で拡げるのが嫌だって言うなら他に方法は1つしかないけど覚悟はいいんだな?」
「それは……」
ありさはやむなく自ら指を伸ばした。
陰毛の間を掻き分けて、割れ目に指を添えた。
心なしか指が震えている。
以前付き合っていた彼氏にすら行ったことのない行為。
それを見ず知らずの男性の前で行おうとしている。
ぐずぐずしていると催促が飛んでくる。
「早くして」
「……」
2本の指がひっそりと合わさった秘め貝をこじ開けようとしている。
「よく見えないな。もっと拡げて」
「くっ……」
ありさは屈辱に耐えながら繊細な部分を開いて見せた。
見ず知らずの男性にピンク色の臓物まで見せなければならない口惜しさに、身体がわなわなと震えてる。
「ところでありさちゃん、“目には目を歯には歯を”という諺は知っているかな?」
「……」
車野山が突然つぶやいた突拍子もない言葉に、何やら得体の知れない恐怖を感じた。
「万引きされたのに警察へも大学へも連絡しない。また明日から何事も無かったかのように過ごす。それって虫がよすぎない?」
「はい……」「最低限の償いはするべきじゃないのかな?」
「……」
「君の盗んだものはなんだったかな?」
「シャンプー、リンス、タンポンの3つですけど……」
「そうだったな。じゃあそれら3つの商品に心を込めて謝罪しなければ…ありさちゃんもそう思うだろう?」
「はぁ……」
「さて最初はタンポン君に謝ってもらおう」
「ごめんなさいって言えばいいのですか?」
「言葉だけではダメだよ。やっぱり行動で示さなくては?」
「行動で?」
「つまりタンポン本来の使用目的を果たしてもらわなければ。そうすればタンポンだって気が済むと思うんだが」
「そんなこと!」
ありさは血相を変えた。
見知らぬ男性の前で秘所を晒すだけでも泣きたいくらいなのに、さらに生理用品であるタンポンを面前で挿入しろというのか。
楚々たる女子大生がそんな破廉恥極まりない行為をできると思っているのだろうか。
この男は変態か?それとも変質者か?
そんなありさの動揺をよそに、車野山は涼しい顔でタンポンの包装を解き始めた。
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