第13話
僕の恋人は……佐緒梨? サリー? その2
12月24日 月曜日 午後8時15分 野村春樹
顔を上げた僕の視線が、佐緒梨とぶつかった。
潤んだ瞳と首筋まで真っ赤に染めた彼女が、コクンってうなずいた。
挟み込んでいた太腿が左右に開かれる。
肩に触れていた両手が、ずり落ちるようにして僕の手首を握り締めてきた。
佐緒梨とセックス……!
そうだ、僕は彼女とひとつになるんだ!
心臓が暴発しそうになって、額からぼたぼたと汗が振り落ちて、それが白い肌を濡らせて。
僕はカチカチのオチ○チンに右手を添えると、入り口を探した。
無防備に開かれた女の子のアソコを覗いてみたいという、願望を封じ込めて。
羞恥色に染まった佐緒梨を見ていると、とてもそんな行動を起こせなくて。
熱くなった肉の挟間に先端を押し付けた。
知識がないまま、何度も跳ねかえされながら、割れ目の奥にある膣に挿入しようとした。
くちゅ、くちゅ、ぐちゅ……
「あんぅぅっ……もうちょっと上……あっ、あぁぁ、そこ違っ……ううん、行き過ぎだよ」
「はあ、う、うぅ。こ、ここ? はあっ!」
ズズッ……
「あぁぁ、そう、そこぉっ……はるき! 挿れてぇっ! 一気にぃっ! んくぅっ、ふぁぁぁっ」
ズズッ、ズズズッ、ズリュゥゥッ!
僕は、言われるままに腰を突き出した。
「う、ううぅっ。熱い! 佐緒梨のなかって、狭くて熱いよ」
「んあっ! あっ、ああぁ、わたしもぉ……感じるぅっ、はるきの熱いモノ、感じてるよぉっ! はあぁぁんんっ」
僕の下で、佐緒梨が笑った。
白い歯を覗かせて笑顔を見せてくれた。
顔をくしゃくしゃにして、ほっぺたまで涙で濡らせて。
生まれて初めての女の人の膣。
太腿と太腿が密着して、恥ずかしい下の毛どおしが絡み合って、それにニュルニュルしていて、やっぱり火傷しそうなくらい熱くて。
柔らかいお肉の壁が僕の硬いモノを包み込んでいる。
幸せな安堵感に心が満たされていく。
「さ、さあ……動いて……あ、あぁ、春樹のしたいように……していいから……」
「それじゃ、佐緒梨。いくよ……う、うぁ……」
ずりゅッ、じゅちゅ、ずりゅッ、じゅちゅ……
腰を上下に動かした。
彼女と身体を重ねたまま、お尻を持ち上げるようにしてオチ○チンを引き抜いて突き刺した。
「はぅっ、はぁぁぁっ……春樹の硬いのが……入ってくるぅっ……あぁぁんっ」
とってもぎこちないのに……
おまけに、僕の方が気持ち良すぎて、ついつい体重を乗せちゃうのに……
佐緒梨が気持ちよさそうな声を上げた。
細いあごを上向かせて、白いのどを仰け反らせて、下手くそな腰使いに感じようとしている。
「あぁ、ああぁっ……春樹ぃ、もっと……もっとメチャクチャにぃっ! あふぅっ、はあ、忘れさせてぇっ!」
佐緒梨の指が、手のひらの下に滑り込んでくる。
床の上で手のひらと手のひらが重なり合って、指どうしが固く固く握り合わされている。
ずりゅッ、にゅちゅ、ずりゅッ、にゅちゅ……
「はあ、はぁ……佐緒梨ぃっ! さおりぃっ! 大好きだぁっ! きみのこと……うぅっ……大好きだよ!」
「んぅっ、んん……わたしも、佐緒梨もぉっ! はるきのこと……好き! 大好きだよ!」
僕は腰の上げ下げを加速させた。
弾けそうなオチ○チンを『もう少しだけ』って宥めながら、熱くて蕩けそうな肉の挟間に突き入れた。
堅くて冷たい床の上なのに、僕の体重まで支えてくれる佐緒梨が愛おしくて。
下手くそな僕のセックスに、一生懸命感じてくれる佐緒梨といつまでもこうしていたくて。
心から気持ちよくなって欲しくて……
もっともっと乱れてエッチな表情が見たくて……
「い、いいよぉ。春樹ぃ、上手だよぉっ! 春樹の……お、オチ○チン、気持ちいいよぉ」
恥ずかしい処どうしが激しくぶつかった。
僕のオチ○チンが、佐緒梨の感じる蜜を割れ目の外まで掻き出していく。
太腿がひっつくたびに『ぴちゃっ、ぴちゃっ』って音がして。
おへそが擦れ合うたびにヌルヌルして。
「はあ、ううっ……さ、佐緒梨の……お、オマ○コも、気持ちイイッ!」
理性の吹き飛んだ頭の中にいるのは、佐緒梨だけ。
小さな鼻から懸命に息を吸い込んで、ピンク色のくちびるから甘い息を甘い声で泣く佐緒梨だけ。
「春樹ぃ、出してぇ……はぁぁ、なかに思いっきり出してぇっ! んんっ、ちゅぷっ、んちゅぅぅ……」
僕は、くちびるに吸いついた。
佐緒梨も舌を伸ばして、僕の舌を舐めてくれた。
舌と舌がひとつになって、重ね合わせた手のひらを強く強く握りしめて……
佐緒梨が腰を持ち上げた。
僕のオチ○チンがもっともっと深く挿入されるように、打ち込むタイミングに合わせてくれた。
「ふぁぁっ、んんっ、深いぃっ、春樹のオチ○チンが……佐緒梨の子宮に……ひぁぁぁぁんん」
「うあっ、もう……我慢できない! いくよ!」
「うん、いいよぉっ! 佐緒梨の膣に射精してぇっ! 子宮に吹きかけてぇっ!」
柔らかいお肉が、オチ○チンをギューゥって締め付けた。
引き抜こうとする亀頭を、包み込んだ肉の壁と襞が刺激した。
同時に、オナニーとは全然違う電気が、お腹を胸を切ないものと一緒に流れて。
僕は、なにかを叫びながら思いっきり深く強く挿入した。
どぴゅっ、どぴゅっ、どぴゅぅぅぅっっ、ドク、ドク、ドクッ……!
「はぁっ、くうぅっ! 佐緒梨っ! さおり……」
「はあっ、くぅぅっ……熱いぃ! 春樹の熱いのがぁっ……佐緒梨のなかにぃっ……うれしい……」
ゾクゾクって背中が震えた。
お腹の中が……内臓が……全部消滅して、ちょっと空しい開放感だけが漂っている。
佐緒梨が泣いている。
汗にまみれたおでこに乱れた髪をひっつけて、鼻をすすって涙を流している。
僕も肌を密着させたまま泣いていた。
しょんぼりとしたオチ○チンを、熱く火照った割れ目に沈めたまま、声を殺して泣いた。
心臓と心臓が重なって、どっちの音かごちゃ混ぜの激しくてやるせない鼓動。
それを聞きながら、いつまでもそうしていたかった。
ベッドも布団もない堅くて冷たい床の上だけど、普通の恋人のように抱き合っていたかった。
それなのに……
「うぅっ、ぐすっ……ありがとう、春樹。あなたとのセックス……うっく……佐緒梨の一生の思い出にするね」
佐緒梨は、握り合っていた手を振り解いていた。
そっと僕の両肩を持ち上げると、白い裸体を横に滑らせた。
「どうしたんだよ? 何、言ってるんだよ?! 僕はまだ……佐緒梨と一緒に……」
「……残念だけど、もう時間なの。春樹……ううん、お客様。今夜はサリーのスペシャルメニューをご利用いただきありがとうございます」
佐緒梨は、僕に向かって丁寧にお辞儀をした。
まるでホテルのフロントの人のように、作られた笑みを浮かべて……
僕の下で見せた恋人の顔を消し去って……
「……どうして?」
見上げる僕に佐緒梨は背中を向けた。
前屈みになって、脱ぎ散らしたスカートに片手を伸ばした。
肩甲骨の辺りが真っ赤になっている。
腰骨の付近も左右に膨らんだお尻も、僕が動いて床にこすられて、痛々しいくらいに真っ白な肌が真っ赤に染まっている。
そして、さらに前屈みになった。
見られるのも構わずに、お尻とその下にある真っ赤な挟間を僕の前に突き出した。
太腿の裏側を白い液体が垂れ落ちていく。
まだ開き気味の割れ目から、僕と佐緒梨の体液がつつーって流れ落ちていく。