女の子が覚悟の告白

 

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第16話
舞衣の贖罪 その1


8月21日 木曜日 午後3時  吉竹舞衣

「あの、早野勇さんのお見舞いに来たんですけど……お部屋番号を教えてもらえないでしょうか?」

「では、この書類に住所とお名前をご記入ください」

B5サイズ程度の紙に、指定された項目を記していく。

「えー、早野さんなら入院病棟、6階の604号室です。ここのロビーを出られて、西側の建物になります」

書類を提出した私に対して、総合インフォメーションと記されたコーナーの職員さんは、親切に対応してくれた。
私はお礼を言うと、花束を手にロビーを後にする。

教えてもらった病棟はすぐに見つかり、私は入り口で暫く立ち止まった後にエレベーターへ向かった。

あら、また会ったわね。
あなた、有里と一緒にいなくていいの?

……そう。だったら、少し付き合ってもらっていいかな。
話したいこともあるしね。

「確か、6階だったよね……」

私はフロアーを示すランプが上昇するに従い、早打ちする鼓動を押えられずにいた。

落ち着いて舞衣。
これが、あなたの望む贖罪の第一歩なのよ。

自分に何度も言い聞かせてみる。
でも……心が折れそう。

あなた、私の心を支えてもらえる?

……ありがとう、やさしいのね。
それじゃあ、私の胸の内を聞いてもらえるかな。

昨日の電車内での出来事は、あなたも知っているでしょう。
私も驚いたわ。
だって、有里と千里さんが突然、目の前に現れたんだから。
しかも、事態は切羽詰まった感じで。

私は咄嗟の機転で携帯を鳴らして、二人を救い出そうとした。
そうして気が付いたときには、3人一緒にホームに立っていたの。

怖くて恐ろしくて、肩がブルブルと震えていたけど、神様はそのお礼に素晴らしいプレゼントを送ってくれたわ。
私と有里はね、駅の1階にあるカフェで千里さんにケーキをごちそうになったの。

えっ、そのことがって?

……うん、それもあるけど。
私が嬉しかったのは、有里と隣り合わせで席に着けたこと。
彼女とは一言も話せなかったけど、夢のような時間だった。
おかげで途中、何度も涙が出そうになったけどね。

そしてもうひとつ、千里さんにも出会えたこと。
世の中に、こんな素晴らしい女性がいるなんて思わなかった。
だって、こんな幸せな機会を提供してくれたんだから。

でも、不思議なの。
彼女には、あのとき初めて会ったのに、なぜか他人のような気がしなくて。
私は千里さんのことを、実のお姉さんにように思うようになっていたから。

それでかな?
千里さんに、有里と早く仲直りすることを諭されたような気がしたの。
そう、千里さんの目がそう訴えていた。
それに耐えうるだけの勇気も、私はもらった。

ありがとう、千里お姉さん。
あなたに会えたおかげで、私は一歩踏み出せそうだから。

……うん? まだ隠していることがあるって?
あなたは全てお見通しって感じね。

これは、有里には内緒にしてね。
実はね。昨日、千里お姉さんや有里に会ったのは偶然じゃなかったの。
私は、有里に気付かれないように後をつけていた。
理由は……あなたも知っているてしょう。

あの時もそうだった。
だから私は、有里の姿を追いながら隣の車両から彼女を見つめていたの。
そうしたら……後はあなたも知っているとおりよ。

ただ、ちょっと気になることがあって……

二人が飛び込んで来る前から、私の向かい側でビデオカメラを使って何かを撮影している人がいたの。
物凄く体の大きな人だった。
顔はよく分からなかったわ。
サングラスを掛けていたからね。

それとあの3人組……
電車の中から、笑ってこっちを見ていた気がするの。
まあ、気のせいかもしれないけど。

……どうしたの? まだまだ隠してるって?

ふーぅ。あなたには敵わないな。
全部、話してあげるわ。

私ね、心の中では贖罪するんだって思っていたけど、何ひとつそれらしいことが出来ない自分に苛立っていたの。
具体的に有里と家族の人達に何をすべきなのか?
それさえ見付けられずに生きている自分に、憎悪さえ抱いた。

ふふふ……身勝手でしょ。
あなたもそう思うでしょ。

そんな私に、千里さんはきっかけを教えてくれた。
だから私は、一晩考えた末に有里のお父さんのお見舞いに行くことにしたの。
もちろん、このことは家族には内緒。
これは私個人の問題だから……

ね、これで私がここにいる理由がわかったでしょう。

 

 

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