電車内で美少女を覗く男

 

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第6話
偶然? 必然? 謎の男?


7月25日 金曜日 午前9時  早野 有里


「♪♪……2番ホームに下り○○行き、快速電車が入ります……」

駅のホームにアナウンスが響き、銀色の車体が金属をこするブレーキ音を立てて滑り込んでくる。
わたしは列の後方から、ガラス越しの車内を覗いてみた。

……まあ、いつもと同じかな。

ほどほどの込み具合を確認しながら、前の乗客と隙間を開けずに車内に入る。

いつもの時間に、いつもの電車……
それに、いつもの場所はと?
……空いてる。

ホーム側から入って向かい側の扉横のスペースが、わたしのお気に入りの場所。
目的地までの約30分間、線路側にあたるこの扉がひらくことはない。

……つまり、ここはわたしだけの快適な空間ってこと。
もちろん座席はないけどね……

ほんのわずかな時間に多くの乗降客を入れ替え、エアー音を鳴らしながら扉が締まる。
そして電車は、低いモーター音を響かせながらゆっくりと滑るように動き出した。

わたしは車内が落ち着くのを待ってから、バッグに入れてあるヘッドフォンを取り出し、お気に入りの曲を聴き始めた。
身体を壁に預けて瞳を閉じ、誰にも邪魔されずに好きな音楽を聴く。

そう。わたしにとって一番リラックス出来るのは、この時間だったりする。
なんだかんだ言っても最近の生活リズムって、結構ストレスが溜まるのよね。

……ちょっと、きみ。
その目は何よぉっ!
能天気なわたしに、ストレスが存在するのかって……?!

……バカにしないでよ。
こう見えてもね、心配事だらけなんだから。

えーっと、朝のご飯はお代わりすればよかったかな? とか……
お昼は何を食べようかな? とか……
夕食のおかずは、何かな? とか……
後は、えーっと、えーっと……?
もう、なにを言わせるのよ……!

今、どのあたりかな?
わたしはヘッドフォンを付けたまま、ガラス窓の外を勢いよく流れる景色を追った。

駅を出発して20分位経ったかな。ちょうど車両は隣町との境界を流れる川を渡るところだった。
鉄橋を通過しているのか、線路に響く車輪の音が大きく反響している。

ここを越えれば、後10分位で次の駅に到着する。
もうすぐリラックスタイムともお別れね。

わたしは窓から目をそらすと、何気なく車内を見渡した。

……んっ……?
……何か、感じる……視線……?
……誰かが、こっちを見ている気がする?

もう一度、今度は慎重に視線の主を探ってみる。

…… ……
…… ……!
……いた! あの人だ……!

わたしから5メートルくらい離れた場所で、吊革にぶら下がっている。
最初は偶然かなと思ったけど、いつまでも目をそらす気配がない。

ここは景色でも眺める振りをしながら、確認するしか方法はなさそうね。
黒目だけを横にスライドさせて、視野の端に再度、その主を捉える。

……?
全く見覚えがない。誰なの?
……まさか、女の子の敵……痴漢?

それにしては距離が離れすぎている。
もしかしてだけど、美少女のわたしに好意を持っているとか?
まあ、それはそれで充分に考えられる話だけど……

ううん、そうじゃなかった。
ここはもう少し、真剣に……

そうよ。知らない人から一方的に視線を投げ掛けられるのって、いい気がしないね。
うん。ここは反撃するしかなさそう。

わたしは、見覚えのない人にちょっと厳しい視線を送り返した。
これってわたしの欠点かもしれないけど、昔から無鉄砲で、負けず嫌いなんだよね。

身長は……? 180センチ位あるかな。
少し痩せ気味で、身体の線も細い感じ。
肉体的な職業の人というより、ホワイトカラー系……?

顔は中性的な美男子……? 
……というか、髪型、服装も含めて典型的なホストっぽい人……?
まあ、そういう世界に知り合いはいないけど、テレビではそんな人たちを何度も見たことがある。

ホスト顔の人は、わたしが睨み返しているのに気付いたのか?!

……!!
……えっ! 視線を外してくれないの? 全くどういうつもり!

普通こういう場面って、軽く会釈して視線をそらすのが礼儀ってものじゃないの?
それなのに、逆に目だけで不気味に笑い掛けてきた。

気持ち悪い……!
なんなの、この人……!?
かなり悔しいけど、こういう時は無視するのが一番かな。

わたしは真っ直ぐに前を向いて、男の視線をやり過ごすことにした。
さりげなく横目で男の姿を追いながら……

他にできることは……?
え~っと、ちょっと怖い表情をつくって、え~っと、駅に着くのをひたすら待つ……うん、それだけ。

5分、6分、7分……
こういう時間って、どうして遅く感じるんだろう?
漫画を読んでいるときは、時間なんてあっという間に過ぎていくのに……

……8分、9分、10分!
やっとアナウンスが流れた。
……電車が減速する。

わたしは多少強引にドアの前に陣取ると、恐る恐る後ろを振り返った。

……?!……いない?
ホスト顔の男は、気付かないうちに消えていた。

いったいなんだったのよ!
わたしのリラックスタイムを返してよッ!

わたしは、朝から不愉快な気分で改札口を後にした。
歩きながら何度か後ろを振り返ったけど、あの男が付いて来ることは結局なかった。

 

 

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