美少女のエッチな姿を撮影

 

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【第11話】
代理調教は、目新しさを前提に

卓造による千佳への代理調教は始まったばかりである。

そして初日こそは路上セックスだけで解放されたものの、2日目も同じプレイでお茶を濁すわけにはいかないらしい。
更なる恥辱プレイへの圧力のつもりなのか、例のサングラスにマスク姿の男が、卓造に貼り付いて離れないのだ。
出社するためにアパートを出ると直ぐに姿を現し、ラッシュアワーの電車も、会社の入り口でタイムカードを打つまで監視される始末である。

(この感じだと、俺が会社を出るまでずっと……? やっぱり、いた!)

勤務中に窓際の席から下を覗いた卓造は、そこにサングラス男を見付けた。
スーツは着込んでいるものの、オフィス街に全く溶け込めていない異様な姿を平然と晒しているのだ。

巡回中の警察官にでも出くわせば、職質か何かで退散願えるのだが、そうそう上手くタイミングが会うものではないらしい。
大した仕事もせずに机と睨み合っている間に、時計の針だけがグルグルと回転していく。

午後2時……
外回りと称して卓造は会社を後にした。
出入り口には、やはりというべきか監視役の男が待ち構えている。

(ほらよ、お待ちかねのショータイムがもうすぐ始まるぜ。見たけりゃ付いて来るんだな)

ギロッと出来る限りの強面の顔を作った卓造は、男をひと睨みしてから歩き始めた。
ストライドを拡げて、大股を意識しながら駅へと向かう。
千佳とは駅の南口で落ち合えるように、メールを交換し合っているのだ。

昨日はここで彼女と……
歩きながら卓造は、黒目だけをスライドさせた。
オフィスビルと自動販売機に挟まれた僅かなスペースで、ヨレヨレの中年男と可憐な女子学生が抱擁を交わしている。
そんな下半身を疼かせる幻想を抱きながら、更に足の回転を速めていく。



駅の南口は、相変わらず混雑していた。
タクシー乗り場とバスターミナルが併設され、利用客の波がひっきりなしに押し寄せてくる。

卓造は既に充分なほど人波に揉まれた感のあるヨレヨレスーツ姿で、人魚姫のブロンズ像を探した。
千佳からの返信メールで指定された場所である。

「それじゃ、行こうか」

呼び掛けた卓造に、ダークネイビーのセーラー服を着込んだ千佳がコクンと頷いてみせる。
それを、待ち合わせている男女の目線が揃って追い掛けている。

父娘だろうか? それにしては、似てなさすぎである。
ワゴンセールで処分売りされそうな冴えない中年男と、ノーメイクなのにアイドル並みのルックスを備えた美少女なのだ。
だとしたら、恋人?
その発想に切り替えた途端、男達の憎悪に満ちた視線は、卓造の背中を刺し貫いていた。
千佳を見送る女達は、彼女の背中に同情の視線を送る。

そして卓造と千佳は、連れ立って駅の構内へと向かった。
その後ろ数メートル離れた所を、小型のハンディカメラを抱えたマスク男が追尾する。

「千佳ちゃん、どこへ行くつもりだい?」

ちょうど下り電車が到着したのだろう。
改札口は降りてきた乗客で込み合っている。
そんな人波を縫うように歩きながら、リードしているはずの卓造が千佳に振り返っていた。

「いいから、こっちに顔を向けないで。あ、そこの角を左に曲がって、山川デパートに入ってよ」

しかし、千佳は素っ気なかった。
駅の構内と直結している老舗百貨店の名前を口にすると、スカート越しに太股に手をやりながらアゴをしゃくってみせる。

(強がりを装っても、やっぱり女の子だな)

ヒザ小僧を覗かせた今時の女子学生らしいスカートの下は、今日もノーパンの筈である。
おそらくブラジャーも……

理不尽な兄の命令に従う哀れな妹の姿に、卓造の心が痛んだ。
半面、更に過激な姿を晒そうとしている千佳に、卓造の男がムクムクと反応するのも確かである。

「おじさん、どんどん奥まで進んで」

「わかった」

デパートの店内に入った千佳は、卓造に向けて指示を飛ばしていた。
卓造は届かないのを知った上で、前を向いたまま答えている。

実際のところ。千佳への調教をどうするのか? 調教師役の卓造自身、知らないのである。
メールの交換で落ち合う場所は決めたものの、今日一日の行動予定は千佳に任せてある。

色欲に取り憑かれた和也を納得させるためには、平凡を判で押した卓造には無理と判断したのだろう。
千佳は自分自身を嬲りモノにするための恥辱プレイを計画して、卓造を伴っているのだ。

「ちょっと、待っててね」

そして二人がエレベーターホールに到着した時だった。
千佳は卓造の背中に声を掛けると、どこまでも付いて来るマスク男の元へ向かった。
何やら言葉を交わした後、男が手にしていたハンディカメラを握り締め戻ってくる。

「へえ~。やるじゃない、千佳ちゃん。あの男からカメラを奪ってきたんだ。ということは、今日のエッチプレイはお休みってこと?」

「違うわよ。このカメラはね、おじさんが使うのよ」

「へ? 俺が千佳ちゃんを?」

「そうよ、調教師役のおじさんが、千佳の恥ずかしくてエッチな姿を撮影するの。わかった?」

千佳が卓造を見上げて哀しそうに笑った。
その横で、二人を招き入れるようにエレベーターの扉が静かに開いていた。

 
 
 
 

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