【第1章 (4)】
何枚か同じような水着の写真を撮ったあとで、スタイリストは藍に薄手のTシャツとぴったりしたパンツを手渡し、「次はこれに着替えて」といった。
藍は水着が終わったので、ほっとして着替えを始めた。
着替え終わってカーテンを開けると同時に、スタイリストは藍に厳しい口調で言った。
「ちょっと、なんでブラしてるのよ! それにパンティも穿いてるでしょ? プロでしょ、あんた?!」
藍は驚いた様子で答えた。
「えっ、ノーブラ、ノーパン・・・ですか?」
「当たり前でしょ? ラインが出ちゃったら台無しじゃない!」
「ご、ごめんなさい、すぐに・・」
藍が答え終わる前にスタイリストはカーテンの奥に藍を押し込み、Tシャツに手をかけ脱がすとすばやくブラジャーをはずした。
藍の乳房があらわになり、手で胸を隠そうとしたが、スタイリストはすぐにパンツも下ろしにかかった。
しかし「こ、こっちは自分でします・・」と藍は手を払いのけた。
スタイリストはあきれた様子でカーテンを閉めた。
藍は女性とはいえ、自分の衣服を脱がされたことにショックを隠せなかった。
少しして着替え終わるとカーテンを開け、吉田の前に行った。
明るいライトが当たると藍はまた驚いた。
Tシャツから乳首が浮き出ているどころか透けてしまっていて、何も身に付けていないも同然だった。
しかもパンツは薄い黄色だったため、陰毛も透けてしまっている。
シャッターの連続した音に藍はまるで「犯されている」ような気分になり、その場にうずくまってしまった。
涙も出てきた。
吉田が藍を気遣い「どうした?」と声をかけた。その声に反応して、藍はとうとう声を上げて泣いてしまった。
多田と岸田が驚いた様子で部屋に入ってきた。
多田が「どうしたんだい? 藍ちゃん、何かあったのか?」と藍の肩を取り抱きしめた。
藍は泣きながら「な、なんでもありません・・」と答えるだけだった。
「今日はこの辺にしようか、なぁ吉田?」と多田は吉田にいたずらっぽく合図した。
「まぁ写真はちゃんと撮れましたから、お嬢ちゃん、がんばったね。」と吉田も藍をなぐさめた。
藍は少しだけほっとした。しかし涙は止まらない。
「どうした?」岸田が藍に聞いた。
藍は「こんな服、着たことなかったので、ちょっと・・」とべそをかきながら答えた。
多田は「まぁ、これはテスト撮影だから、本番はちゃんと見えないようにするんだよ、それに今日の写真はすぐに破棄してしまうんだ。安心しなさい。」と藍に言った。
藍はまだ泣きながら「はい・・すみませんでした・・」と答えた。
多田と吉田はそんな藍を見て、不穏な笑みを浮かべていた。が、藍は自分のことが精一杯な様子で気づかなかった。
岸田は藍に言った。
「そのうち涙なんか出したくても出なくなるんだから!」
藍はその言葉の意味を、そのときは理解できなかった。
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